MGSB『十角館の殺人』編 その2
まだ1章ですが、今回の試みやって良かったと既に確信しました。
そう言えばミステリー小説ってこんな感じだよなって雰囲気なんですが、これは漫然と読んで結果をひたすら得ようとするよりも自分で考えて読んだ方が楽しそうです。
その一助に今回の企画はなると思いました。
続きが気になるのは確かなんですが現時点での情報をしっかり整理して把握したいです。
以降、ネタバレ注意。
第一章
「一日目・島」
1.何が起きたか
1986年3月26日、大分県東部の港から出発し5kmほど離れた「角島」と呼ばれる無人島に来たミステリ研究会のメンバー6人は、先に来ていた1人を加えて7人で過去に殺人事件のあったこの島に一週間滞在することになった。
島に来た目的はレジャーアイランドのテストケースといった建前はあれど、興味本位である。事件のあった本館、通称「青屋敷」の離れである「十角館」に滞在する一行は部屋割りを決め、それぞれ思い思いの行動をとった。
昼食中、ミステリ研究会の会誌原稿を滞在中一本は書き上げることを目的に設定し直し、好き勝手に過ごした。
夕食後、先に島に来ていた1人が当初から悪そうにしていた体調をさらに崩し、一足先に部屋に戻っていった。
2.登場人物の印象
〇滞在メンバー
全員大分県O市**大学の学生。ミステリ研究会メンバーで、皆ミステリー作家の名前を元にしたあだ名がついている。
あだ名は継承制であだ名がつくということはそれだけ優秀なことの証らしい。
・エラリイ(エラリイ・クイーンが元)
ひょろのっぽ。色白好青年。のらりくらり主人公ヅラしてる。法学部3回生。
砂色コートにラクダ色のボストンバッグ、ワインカラーシャツ。
喫煙者でセーラム(メンソール?)を吸う。ミステリ研究会会誌「死人島」の現編集長。
ここひと月ほどトランプマジックに凝っている。アガサとハートの4になんかある?
部屋は玄関入ってすぐ右。右隣にアガサ。
印象:探偵気取りで逆に死んでもおかしくない。
死ぬまでいかなくても十角館という舞台が罠で、復讐対象がミステリ研究会のメンバーだとしたら状況を逆手に取られそう。というかそういうのが前提の計画だと思う。
・カー(ジョン・ディクスン・カーが元)
猫背皮肉屋しゃくれ神経質三白眼マン。法学部3回生。浪人しているためポウと同い年。
ジャケットに黒いトックリセーター。ポケットにはウィスキー。
喫煙者。ライター所持しているから普段から吸うとは思う。
エラリイによると、不機嫌の原因はアガサに振られ、オルツィにも相手してもらえなかったかららしい。筆ははやい。
ポウと随分前に酒がらみでなんかあった?
部屋は右隣にルルウ。左はアガサ。
印象:いかにもな嫌なタイプ。死にそうすぎて逆に生きのびるかも。
今回は何人かと問題ありそうな雰囲気あったが実は全員と揉めててもおかしくない。
・ルルウ(ガストン・ルルウが元)
童顔丸眼鏡小男。文学部2回生。黄色いトレーナー。
会誌の次期編集長。エラリイの手品の練習台をしていた。
部屋は右が厨房。左がカー。
印象:合いの手脇役的にキャラが立っていそうで個人の要素が少なく怪しめ。
・ポウ(エドガー・アラン・ポウが元)
大柄髭面。医学部4回生。
色褪せジーンズに水色シャツ。ヘビースモーカーでラークを吸う。人に煙草を勧める。
カーと随分前に酒がらみでなんかあった?
釣り道具を持ってきている。
オルツィと幼馴染らしい。
部屋は右がオルツィ。左が洗面所(奥にトイレと浴室)
印象:悲しき森の獣みたいな感じがあるから犯人にはならないんだろうなぁ。
と思わせてプロローグの「彼」に割と合っててもおかしくはない。
・アガサ(アガサ・クリスティが元)
もしゃ髪ロングイケイケ嬢。薬学部3回生。
黒レザージャケット白ブラウス黒レザーパンツ。
髪を山吹色のスカーフで纏めてる。
部屋はエラリイの右隣、カーの左隣。
印象:死ななきゃ嘘でしょ。
ビクビク小柄ぽっちゃりショートヘア根暗娘。日本画がうまい。
文学部2回生で英文学専攻。日本の古典にも詳しい。
左の中指に指輪。最近までつけていなかった。
ポウと幼馴染らしい。
部屋は右にヴァン。左にポウ。
印象:なんか怪しい。プロローグの「彼」のムーブをしそうなのがこいつだけど「彼」を
素直に男とするならむしろ幼馴染らしいポウの何かを知っているが故の怪しさかも知れない。
・ヴァン(S・S・ヴァン・ダインが元)
風邪気味やせ男。島に先に来ていた。理学部3回生。
象牙色のベスト。喫煙者でセブンスターを吸う。
島の現所有者の伯父を持つ。
夕食後は体調が悪く部屋に先に戻った。鍵は閉めた。
部屋は玄関入ってすぐ左。
印象:第一被害者候補。露骨に鍵を閉めて密室殺人を作る舞台装置的にも思える。
これ警察呼べないから死んだと見せかけて1番最初に容疑から外れるムーブもあるよね。
実際、前乗りしているから館や島への細工はし放題ではある。
〇かつての住人
いずれも相当量の睡眠薬が検出された。
まとめた印象:ミステリ研究会のメンバーに血縁関係者がいるんだろうなって感じ
・中村青司(故人)
20年余り前に島に移り住んで青屋敷と十角館を建てた。
青屋敷は床から天井から家具まで青かったらしい。
全身に灯油がかけられて明らかな焼死。
・中村?和枝(故人)
中村青司の妻。
紐状の凶器で窒息死。左の手首から先が刃物で切り取られて未発見。
・使用人夫婦(故人)
ロープで縛られ斧で頭を叩き割られて死亡。
・庭師(行方不明)
事件の何日か前から仕事で泊まりに来ていたが消息不明。警察では犯人説が有力だった。
〇その他(人物以外も含む)
・漁師父子
来週の火曜10時(1986年4月1日?)に迎えに来る。
・十角館
天窓付きでカップや灰皿などいろんなものが十角形?
椅子も10脚あるが客間は7。電気は来ていない。
館の裏手に桜が蕾状態。
天窓から灯台の光が届く。一昨日が満月。
・青屋敷
全焼済みで基礎程度しか残っていない。
何年前かは不明だが9月20日で炎上。4人の殺人事件が発生していた。
ニュースの覚えがメンバーにある様子から最近のことか?
3.推理
まだ、要素の展開のターンだから推理も何もなくない?
と思わないのが憧れの名探偵だと思うので頑張ってみましょう。
気になっている要素
・現代ミステリーらしさがある割には妙に時代設定が昔ではないか
初っ端からメタ的。この小説が書かれたのがいつかわからない(ちょっと調べればわかるがネタバレを踏むの怖い)が過去の事件の年と誤認させることは不可能じゃない書き方をしているような気がする。
・情報の確かさ
メタ的2。エラリイが主人公みたいな振る舞いをするので彼から発信された情報を無条件で真として捉えてしまいがちだが危うい気がする。
→例えば、カーとポウのやり取りから「ポウとオルツィは幼馴染らしい」のは確からしいが、
エラリイの「カーはアガサに振られ、オルツィからも相手にされなかったらしい」というのはエラリイからの情報のみなので普通は信用ならない。
同様に過去の事件の情報においても「〜らしい」の話を前提にすると見失うものが多そう。
・喫煙者の妙な多さ
この時代はこんなものか?カーのみ普段吸う銘柄がいまだに明記されていないのも気になる。
4.これからの予想
名前がニックネームなのでありがちな性別誤認などを警戒していたけど今のところはそういったことはなさそう。
ヴァンは第一犠牲者になる、と思う。
煙草の銘柄は証拠になりそう。
桜や岩場はわからんが、天窓はなんかあるだろうなぁ。
以上
今後の展開が楽しみです。